🐾　医療経営士への道 第3話「病院ってなに？」

📝補足解説：「病院は“薬を出す場所”ではないという前提」 「風邪っぽいから薬だけもらいに行こう」といった認識は、一般市民の間で根強く存在しています。 これは、医療機関を“調剤のための場”として捉える意識が未だ一定程度残っていることを意味します。

しかし、医療法および診療報酬制度の体系に照らせば、 病院の本質的な役割は、「診断」と「治療計画の立案・実施」であり、薬剤の処方はその一構成要素にすぎません。

✅ 病院の機能的定義（医療法第1条の5より） 病院とは、医師または歯科医師が、公的または私的資源を用い、 科学的根拠に基づく医療を組織的に提供する医療施設であり、 外来・入院・検査・手術・投薬等の治療行為を通じて患者の健康回復を図る場所である。

この定義からも明らかなように、薬剤はあくまで治療の「手段」であり、 それを「目的化」するのは、医療提供体制全体の機能誤認につながります。

✅ 医療経営の視点からの示唆 患者が医療機関を“薬の供給所”と誤認している場合、医療資源の適正配分に影響を及ぼします 　→ 不必要な受診・過剰診療・コンビニ受診の増加

本来の病院機能（チーム医療・医療安全・医療連携等）への理解を促進する必要性 　→ 医療機関の差別化、信頼性、経営安定性にも波及

🔎まとめ 病院とは、「診断」と「治療方針の策定・実施」を中核とする医療提供の中核機関である。 処方はその結果として導かれる手段にすぎず、病院＝薬をもらう場所という認識は、 医療制度全体の本質を見誤るものです。