
こんにちは、管理人のらいおんです。
医療経営士3級試験の勉強は順調ですか?
順調に勉強できている人は、このページは見てないかもしれませんね (笑)
今回は…
医療経営士3級試験対策!
医療提供体制の仕組みについて
まとめていきます。
「医療経営士3級試験を考えているけどまだテキストを買っていない方」
「医療提供体制って、なんのこと?という方」
「そんなもの知ってるけど、まぁ読んでやるよって方」
まずは読んでみてください!
医療経営士の試験対策としては重要度はそこまで高くない印象のカテゴリーですが、医療経営士テキストではそれなりのページ数があります。
それでは簡単にまとめていきましょう。
日本の医療提供体制の現状
医療経営士3級試験では、日本の医療提供体制の現状を各国と比較した問題が出されることがあります。
そこでまずは各国との比較からみていくことにします。
各国との比較
日本と主要各国との比較をOECDDataの最新情報から分かる範囲で簡単にまとめてみました。
国によって最新データ年次が異なりますが、年次毎の細かな変化は医療経営士試験には影響ないと思いますので記載は省きました。
それでは各国の医療資本として急性期病床数、CT台数、MRI台数をみてみましょう。
| 国名 | 人口千人当り急性期病床数 | 人口百万人当りCT台数 | 人口百万人当りMRI台数 |
| 日本 | 7.8 | 111 | 55.2 |
| アメリカ | 2.4 | 44 | 39.1 |
| ドイツ | 6.0 | 35 | 34.7 |
| イギリス | 2.1 | 9 | 7.2 |
| フランス | 3.1 | 18 | 14.8 |
| イタリア | 2.6 | 35 | 28.6 |
| カナダ | 1.9 | 16 | 10.2 |
OECD Dataを参考に作成
ここでのポイントは、日本は世界的にみて急性期病床数やCT、MRIなど医療資本はとても充実しているということです。
最新のOECD統計(2025年版等)によると、日本は引き続き急性期病床数(人口千人当たり7.7床)、CT台数(人口百万人当たり115.7台)、MRI台数(人口百万人当たり57.4台)において、世界最高水準を維持しています。
しかし、表だとわかりづらいのでグラフにしてみます。



繰り返しますが日本は急性期病床数やCT、MRIなどの医療資本は他国よりも充実していることを覚えておきましょう。
それでは次に労働力として医師数と看護職員数についてみてみます。
※病床百床当たり医師数と看護職員数はOECD Dataにはありません。そのため人口数と病床数から百床当りの計算をしています。
| 国名 | 病床百床当り医師数 | 病床百床当り看護職員数 | 人口千人当り医師数 | 人口千人当り看護職員数 |
| 日本 | 18.2 | 83.3 | 2.4 | 11.3 |
| アメリカ | 92.8 | 100.0 | 2.6 | 11.7 |
| ドイツ | 50.6 | 164.2 | 4.3 | 12.9 |
| イギリス | 107.7 | 303.8 | 2.9 | 7.8 |
| フランス | 55.7 | 167.2 | 3.4 | 10.8 |
| イタリア | 125.0 | 203.1 | 4.0 | 6.7 |
| カナダ | 103.8 | 380.7 | 2.8 | 10.0 |
OECD Dataを参考に作成
まずは医師数の国際比較をみていきます。
医師数や看護職員数などは、対人口や対病床で見方が変わりますので注意しましょう。
最初に人口に対して医師がどれだけいるかをみてみます。

日本は多くはないものの、多い国との差も1-2人くらいで済んでいますね。
最新の統計(2022年)では人口千人当たり2.6人と増加傾向にありますが、依然としてOECD平均(3.9人)を下回る水準です。
人口当りで考えると、医師数はすごく少ないというわけではありません。
では病床数に対しての医師数ではどうでしょうか。

人口比率ではそんなに差がなかったにも関わらず、病床比率では大きな差がついてしまいました。
このことから、日本は世界的にみて人口に対して病床数が多いといえます。
同じように看護職員数の国際比較をみてみます。
まずは人口当たりです。

日本がグラフの端でないことに違和感を覚えてしまいますが、人口当たりの看護職員数は決して少なくないことがわかります。
最新の統計では人口千人当たり12.2人と、世界的に見ても高い水準を維持しています。
では病床数当たりではどうでしょうか。

まとめます。
大切なことは日本は世界的にみて急性期のベッド数やCT・MRI台数は多いということと、人口当りの医師・看護職員数は少なくない一方で病床数当りの医師・看護職員数は極めて少ないということです。
言い換えると、日本は病床数が多いということがいえますね。
一方で、多い病床の削減が検討されているわ。
病床が多いことは患者さんの受け入れ体制がよいことにつながりますが、全てが有効的に使用されているわけではありません。
病床を適切に、有効に使用することを念頭において、今後病床数は削減される見込みです。
2026年現在、2027年4月の「新地域医療構想」の開始に向けて、さらなる病床の適正化が進められています。
具体的には、2027年4月までに一般病床・療養病床・精神病床を合計で約11万床削減する方針が固められており、これは年間約1兆円の医療費抑制と現役世代の保険料負担軽減を目的としています。
これに伴い、厚生労働省は病床削減に取り組む医療機関に補助金を支給するなど、体制再編が強力に推進されています。
医療施設体制
次に医療施設の体制についてみていきましょう。
医療施設は大病院からクリニックまで幅広く存在していて、これは病床数や病床の有無によって区別されています。
2022年10月の時点での病院や診療所の数をみてみると病院 8,156、有床診療所 5,958、無床診療所 99,224で、無床診療所が圧倒的に多くなっています。
また、前年度との比較では病院は49減、有床診療所は221減、無床診療所は1,101増となっていて、有床診療所の減少と無床診療所の増加が目立ちます。
| 病院 | 8,156 | 前年度 -49 |
| 有床診療所 | 5,958 | 前年度 -221 |
| 無床診療所 | 99,224 | 前年度 +1,101 |
厚生労働省 [PDF]令和4(2022)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況 医療施設調査
また、前年度との比較では病院は62減、有床診療所は226減、無床診療所は539増となっていて、有床診療所の減少と無床診療所の増加が目立ちます。
| 病院 | 8,060 | 前年度 -62 |
| 有床診療所 | 5,415 | 前年度 -226 |
| 無床診療所 | 99,792 | 前年度 +539 |
厚生労働省 令和6(2024)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況
また病院数を病床数でみてみると以下のようになります。
| 病床数 | 病院数 |
| ~99 | 2,889 |
| 100~199 | 2,773 |
| 200~299 | 1,004 |
| 300~399 | 665 |
| 400~ | 729 |
200床未満の規模の病院が約70%と多くを占めていることは覚えておきましょう。

地域医療構想
地域医療構想は医療計画の中で定める必要のある項目の一つです。
医療計画については医療法関連まとめでも取り上げています。
ここでは地域医療構想について簡単にまとめていきます。
まずは、なぜ地域医療構想が必要なのかです。
厚生労働省資料によれば、もともとは医療における「2025年問題」を乗り切るために策定されました。
さらに2026年現在は、団塊ジュニア世代が高齢者となる「2040年」を見据えた「新たな地域医療構想(ポスト2025)」への移行・策定準備が本格的に進められています。
高齢者人口の増加や現役世代の減少のスピードには大きな地域差があるため、それぞれの地域(構想区域)の実情に応じた医療提供体制の構築が急務となっています。
そのため、医療の機能に見合った資源の効果的・効率的な配置を行い、急性期から回復期、慢性期、さらには在宅や介護連携まで含めて、患者が状態に見合った適切なサービスを受けられる体制を作ることが必要とされました。
その体制を実現するために定められるものが地域医療構想です。
地域医療構想が何を指すのかがわかったところで、次は地域医療構想の全体像をみてみましょう。
まずは厚生労働省の資料をみてみます。

都道府県が二次医療圏の単位で地域医療構想を策定することや、機能分化や連携については地域医療構想調整会議で議論・調整が行われることなどが示されています。
地域医療構想の具体の内容として、医療機関は病棟単位で高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つの病床機能のうちから1つを選択し、現状と今後の意向について毎年都道府県へ報告(病床機能報告)することとなっています。
これまでの報告では高度急性期と急性期が多く、回復期が少ないことが課題とされてきました。
2025年の必要病床数(目標値)は、高度急性期・急性期が合計で約53.1万床、回復期は約37.5万床と推計されていました。
これに対し、実際の報告結果(令和6年度病床機能報告・速報値)を見ると、全国の総病床数は約117.8万床(2015年度比で約7.3万床減)となり、機能分化が着実に進んでいます。
具体的には、回復期機能が約7.7万床増加した一方、急性期(約8.1万床減)や高度急性期(約1.1万床減)、慢性期(約5.6万床減)は減少しており、目標に向けて病床の再編が進んでいることがわかります。
また、2027年4月からスタートする「新たな地域医療構想」では、従来の「病床の4機能」に加え、医療機関全体の役割を明確化するため、新たに「4つの医療機関機能」(①急性期拠点機能、②高齢者救急・地域急性期機能、③在宅医療等連携機能、④専門等機能)を報告・協議する枠組みが導入されることが決定しています。
上記は全国で見た場合ですが、都道府県別に見たらどうなるでしょうか。
下の図は、これまでの地域医療構想(2025年目標)の策定段階において、都道府県別に病床が過剰になるか不足になるかを推計した結果です。

この当時の推計を見ると、人口が流入・増加する都市部(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府、沖縄県)では病床が不足する一方で、高齢化と人口減少が同時に進む地方都市のほとんど(それ以外の道府県)では病床が過剰になることが示されていました。
このように、大都市部と地方では解決すべき課題が180度異なるため、地域ごとの実情に応じたアプローチが必要となります。2027年からの「新たな地域医療構想」でも、各構想区域ごとに「中心的に取り組む課題」を自ら設定し、主体的に体制整備を進める仕組みとなっています。
病床機能ごとの境界点は医療資源投入量(点)で示されています。
下の図は横軸が入院日数で、縦軸が入院患者数上位255疾患に対応するDPCごとに1日当りの医療資源投入量(中央値)の推移を表しています。
図からは、多くの疾患が入院初日から数日の間に集中的な医療資源の投入が行われていることがわかります。

この図を踏まえて、4つの病床機能の境界点は3,000点、600点、225点に分けられています。

続いては地域医療構想策定のプロセスについてです。
これも厚生労働省資料がありますので、下図に目を通しておきましょう。


地域医療構想はデータに基づいて進めていくことが重要なので、データの収集・分析・共有が大切になります。
そして構想区域の設定や必要病床数の推計などの具体的な内容へと進んでいきます。
地域医療構想は2017年3月末までにすべての都道府県で策定が終了しています。
地域医療構想策定後には地域医療構想調整会議を活用した医療機関相互の協議が行われます。
地域医療構想調整会議には医療関係者のみならず、医療保険者も必ず加わることとされていて、医療サービスの受け手、または費用負担者として調整の検討に関わることになっています。
調整に当たっては、地域医療介護総合確保基金を活用することになっています。
最後に、地域医療構想(2025年目標)における代表的な先行事例として、青森県の具体例を厚生労働省の資料より紹介します。
構想区域の設定や必要病床数の推計、機能再編に向けた方向性などが具体的に示されています。

青森県の事例のように、地域医療構想は単にベッド数を減らす(削減する)ためだけのものではなく、それぞれの医療圏において「限られた医療資源をどのように効率よく配分し、地域住民の生命を守るか」を議論・設計するための極めて重要な制度であることを理解しておきましょう。
救急医療体制

日本の救急体制
日本の救急医療体制は初期救急、第二次救急、第三次救急と段階に分かれて対応するシステムとなっています。
初期救急とは比較的軽症な患者を受け入れるもので、主に在宅当番医制と休日夜間急患センター(夜間急病センター)とがあります。
在宅当番医制とは休日の当番医ですね。
休日夜間急患センターは地方自治体が行っているセンターで、場所によっては休日夜間急病センターといわれています。
第二次救急は入院治療を要する救急患者を受け入れるシステムで、二次医療圏単位で複数の病院が当番制で対応を行っており病院群輪番制度といわれます。
また、地域拠点病院が一部を開放し、地域の医師の協力で診療に当る共同利用型病院といった方式もあります。
救急隊員が救急患者と接触した後に、入院が検討されるような場合は(明らかに第三次救急対応患者でなければ)第二次救急の当番病院に受け入れ可能か連絡をします。
第三次救急は二次救急では対応できない最重症患者を受け入れており、救命救急センターとよばれます。
中でも特に高度な診療機能を有する病院は高度救命救急センターといわれます。

救急搬送の現状

- 高齢者が5-6割
- 軽症5割、中等症4割、重症1割
- 大都市の方が受け入れ時間がかかりやすい
まずは救急出動件数と搬送人員の推移をみてみましょう。

消防庁公表の「令和7年版救急・救助の現況(令和6年中実績)」によると、全国の救急出動件数は772万740件、搬送人員は677万1,193人(救急自動車による搬送人員は676万9,172人)となり、いずれも集計開始した昭和38年以来、過去最多を記録しています。これは1日平均で約2.1万件、実質的に「約4.1秒に1回」の割合で全国のどこかで救急隊が出動している計算になります。
では次に増加している搬送人員を年齢区分でみてみましょう。

やはり高齢者が増えていることがわかりますね。
救急自動車による搬送人員のうち、高齢者(65歳以上)の割合が多く全体の63.3%を占めており、次いで成人(満18歳以上満65歳未満の者)が29.1%、乳幼児・新生児(7歳未満)が4.3%、少年(満7歳以上満18歳未満の者)が3.4%の割合となっています。高齢化の進展に伴い、救急需要の6割以上が高齢者で占められている現状がわかります。
年齢別にみた重症度別の救急搬送人員の変化をみてみると、高齢者の軽症・中等症の搬送が増えていることがわかります。

最新の統計(令和7年版 救急・救助の現況)によると、救急自動車による搬送人員の傷病程度別の割合は、軽症46.8%、中等症44.6%、重症7.3%、死亡1.3%となっています。

医療経営士試験対策として、軽症患者が約47%(半数近く)であること、中等症と合わせると全体の9割以上(約91.4%)が軽症・中等症であることは絶対に押さえておきましょう。「救急=すべて重症患者」というわけではない実態を把握することが重要です。
救急搬送となった場合、救急車などの行先はもちろん医療機関です。
救急患者を受け入れる医療機関が増えずに救急搬送だけが増えるとどうなるでしょうか。
もちろん医療機関が受け入れ困難となる事態が生じますね。
それでは救急搬送における医療機関の受け入れ状況をみてみましょう。

消防庁では、救急隊が現場に到着してから「医療機関への受入れ照会回数4回以上」かつ「現場滞在時間30分以上」となった事案を「救急搬送困難事案」と定義しています。これがいわゆる、世間で広く『たらい回し』と言われている問題の実態を示す指標です。
消防庁の「令和6年中の救急搬送における医療機関の受入れ状況等実態調査」によると、この搬送困難事案の発生率は、大都市部と地方で劇的な地域格差があることが浮き彫りになっています。
例えば、最も受入れ困難が深刻な東京都では、令和6年の実績で照会回数4回以上の事案が全体の15.4%、現場滞在時間30分以上の事案にいたっては実に全体の23.2%(約4件に1件)に達しています。同じ大都市圏の大阪府でも、照会回数4回以上が6.2%、現場滞在時間30分以上が9.7%となっており、都市部では非常に高い割合です。
これに対して、地方の島根県では照会回数4回以上がわずか0.4%、現場滞在時間30分以上が3.4%にとどまり、青森県でも照会回数4回以上が0.9%、現場滞在時間30分以上が4.2%と、大都市部とは桁違いに低い数値となっています。
その理由として、大都市部は救急患者数も多いため受け入れが難しくなることや、大きな病院が多く存在するため他院にお願いしやすいことなどが一因となります。
一方で地方になればなる程、大都市部と比較して大きな病院が少なく、救急要請を断るという概念がなくなっていきます。
救急車が自宅に来た後、救急隊員が症状や状況を聞き出し、血圧や脈拍などで全身状態を把握します。
救急隊到着時に症状が改善してしまって本人・家族も医療機関に行きたくないとかでなければ、救急搬送のために救急車に乗ります。
患者が歩いて救急車に乗ることもあれば、救急隊の用意したストレッチャーに横たわってそのまま救急車に乗ることもあります。
家族など付き添いの方は少なくとも1名は同乗できます。
そして救急搬送受け入れ医療機関に搬送されるわけです。
受け入れ医療機関の決定には色々な要素がありますが、ポイントは病状とかかりつけ医療機関です。
患者にかかりつけ医療機関がある場合、救急隊員がかかりつけ医療機関で対応できそうと判断できれば、かかりつけ医療機関に受け入れ要請があります。
かかりつけ医療機関が受け入れ不可能であったり、元々かかりつけ医療機関がない場合は、救急隊員が搬送先を検討して受け入れ要請をすることになります。
ここですんなり受け入れ先の医療機関が決まれば問題ないわけですが、決まらない場合は救急隊員がひたすらいろいろな医療機関に受け入れ要請を行うことになります。
前述の照会回数4回以上というのは、少なくとも3つの医療機関には受け入れを断られたということになり、現場滞在時間30分以上というのは30分未満で受け入れ先が決まらないということです。
受け入れ先が決まらない理由は複雑ですが、ざっくりとパターンをみてみます。
1つ目は、患者の病状に対して対応できないときです。
例えば内科一般の有床診療所にかかりつけの患者さんの脳出血疑い時などですね。
2つ目は、すでに救急患者を受け入れていて救急患者が重なってしまうときです。
仮に救急の担当医が1人しかいなかった場合、同時に3人・4人と救急患者が搬送されてきても手が回りません。
3つ目は、明らかに入院が必要そうな患者に対して、入院ベッドの空きがないときです。
その患者を受け入れることで許可病床数を超えてしまう場合でも、ひとまず受け入れて、なんとか退院を出してベッドをコントロールすることなども行われますが、満床でベッドコントロール不能であれば受け入れは難しくなります。
4つ目は、救急担当医では対応できず応援の医師もいないときです。
地域の総合病院などであれば救急担当医という医師がおらず、各科の医師が当直という形で救急搬送に対応している現状があります。
例えば、消化器内科医が当直をしていて心筋梗塞疑いの患者さんの受け入れ要請があった場合にどうなるでしょうか。
普段であれば心筋梗塞に対応できる施設であっても、治療を担当しない消化器内科医の一存では受け入れることはできません。
通常であれば夜間などでも診療にかけつける各科当番医がいるのですが(当番医は当直医と違って自宅待機が可能)、当番医が不在時などは受け入れ困難ですね。
また、循環器当番医が他患の緊急治療をしている場合なども受け入れることは難しくなります。
このパターンは当直医が救急隊員から連絡を受けた後に、当直医が当番医に受け入れ確認を行い、その結果を救急隊員に伝えるという流れになるので時間がかかります。
受け入れOKであればいいですが、NGであれば救急隊員は待ったあげく別の医療機関を探すということになってしまいます。
救急搬送の受け入れ先が決まらない場合の要素は上記に限らず実に複雑です。
医師確保の問題
さて、前述のデータで日本の医師数は先進国の中でも多くはないということがわかりました。
「医師不足」という言葉は耳にしたことがあるかもしれませんね。
そのため、まずは医師数を確保する必要があるとして、日本の医師数は増加を続けています。最新の統計によると、全国の医師数は347,772人(前回比4,497人・1.3%増)で過去最多を更新しており、近年は2年ごとに約4,500人ずつ(年間約2,200人強)のペースで増加しています。また、女性医師数も84,971人(全体の24.4%)と過去最多となり、若手(29歳以下)における女性医師の割合は3割を超えるなど、女性医師の活躍も目立っています。
出典:厚生労働省「令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計」
では日本の中での医師数の地域差をみてみましょう。
都道府県別にみてみると、かなりの地域差が認められます。
医療施設に従事する人口10万人当りの医師数を令和6(2024)年のデータでみてみます。なお、全国平均は267.4人です。
| 都道府県 | 医師数 | |
| 1位 | 徳島県 | 345.4人 |
| 2位 | 長崎県 | 333.8人 |
| 3位 | 京都府 | 333.2人 |
| 45位 | 千葉県 | 213.3人 |
| 46位 | 茨城県 | 198.1人 |
| 47位 | 埼玉県 | 189.1人 |

厚生労働省:令和6(2024)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況より管理人編集
概ね西高東低の傾向がありますね。
ここでは医師数には地域差があることと、人口当り医師数の多少それぞれトップ3の都府県(徳島・長崎・京都、千葉・茨城・埼玉)は覚えておきましょう。
医師数の地域差は医師の偏在ともいわれますが、診療科間でも偏在は認められます。
例えば、外科医はなかなか増えていないが、麻酔科医、精神科医などは増えてきているなどです。
医師不足、医師偏在などについては別記事で詳しく扱っていますので参照ください。
-
-
医療経営士のお勉強 医師不足対策編
みなさん、こんにちは。 医療経営士のお勉強シリーズです。 今回は「医師不足対策」編です。 医療経営士3級試験でも医師数に対する施策などについての出題がされています。 それでは早速始めていきましょう。 ...
医療事故と安全対策

さて、がらっと内容が変わりますが医療事故と安全対策について簡単にまとめます。
最近は「医療事故」という言葉もすっかり世の中に馴染んでしまいましたね。
医療は生命・健康を扱うため、医療者は最良を尽くしたとしても、結果が悪ければ患者側の影響が大きいために訴訟にも発展しやすい背景があります。
日本では1999年から2000年にかけて、大学病院を含む大きな病院で医療過誤事件が相次いで発生しました。

そのため医療安全に対する意識が高まり、2002年には医療安全推進総合対策が策定され、医療機関に対して医療安全管理のための整備確保が義務化されました。
しかし、2006年には福島県立大野病院で帝王切開中の出血により妊婦が死亡した事件があり、医療安全に対する仕組みがますます重要となっています。
大野病院事件ともよばれているこの事件は、帝王切開を執刀した医師が業務上過失致死および異常死の届出義務違反容疑で逮捕、起訴されたものです。
最終的には医師は無罪となったのですが、この事件は医療行為の不確実性の問題などについて社会的にも議論となったのでした。
どうしてそうなったのか、何があったのかなどをしっかりと確認することは患者側、医療者側のどちらにとっても重要です。
起きてしまったことは変わりませんが、しっかり確認することでお互いの気持ちも整理され歩み寄る可能性が出てきますし、同じことを繰り返さないように次に活かすことができます。
そのような背景は、2015年10月から医療事故調査制度が施行されることにもつながりました。
医療事故調査制度の流れを簡単にまとめると、対象となる医療事故が発生した場合に医療機関が原因を調査して、結果を医療事故調査・支援センターに報告します。
そして、センターは調査結果の分析などを行って再発防止につながるようにします。
また医療機関や遺族からセンターに調査依頼があったものについてはセンターが調査を行うことにもなっています。
医療事故調査制度の全体像と調査の仕組みについて厚生労働省資料を載せておきます。


医療機関の医療安全管理体制としては、医療法第6条の12において、医療機関の管理者は、医療の安全を確保するための指針の策定、従業者に対する研修の実施、その他の医療機関の医療安全を確保するための措置を講じなければならないとされています。
さらに医療法施行規則第1条の11において、医療機関の管理者は医療に係る安全管理のための委員会を開催することとされています。
特定機能病院については、専任の医療安全管理者の配置等の厳格な体制整備が求められています。
実際の医療事故情報の収集は公益財団法人・日本医療機能評価機構が事業運営に当たっています。
日本医療機能評価機構の「2024年年報」によると、2024年1年間の医療事故情報の件数は5,911件で、そのうち死亡報告は492件(8.3%)となっています。
事故の概要をみると治療・処置が31.8%と最も多く、次いで療養上の世話(転倒、転落、誤嚥)31.1%、ドレーン・チューブ6.9%となっています。

本ページは以上です。



