📝補足解説：「医療にかかる人のお金の流れ 〜“3割負担”のウラにある仕組み〜」
病院やクリニックで診療を受けた際、窓口で支払う医療費が「3割負担」で済むことが多くあります。 これは日本の医療制度において、多くの人が当然のように受けている仕組みですが、実は非常に大きな社会的支えの上に成り立っています。
💡では、残りの「7割」はどこから来ているのでしょうか？
答えは、日本が採用している「公的医療保険制度」の中にあります。 この制度により、患者本人が負担する医療費以外の大部分は、保険料と税金によってカバーされているのです。
🔍医療費の基本的な流れ（被用者保険の一例）
1.患者が医療機関で診療を受けます。 2.医療機関は、診療内容を診療報酬明細書（レセプト）としてまとめます。 3.医療費のうち、患者は原則3割を窓口で自己負担します。 4.残りの7割は以下のような仕組みで医療機関に支払われます。
社会保険の保険者（健康保険組合や協会けんぽなど）が、事業主や被保険者から集めた保険料で大部分を負担します。 ただし、それだけでは足りない場合もあるため、国や自治体が税金を投入して不足分を補います。 これらの資金は、「支払基金」や「国保連合会」といった審査支払機関を通じて、医療機関に支払われます。
🏥「3割負担」は全体のごく一部にすぎない
患者が病院で支払う金額は確かに目に見える「3割」ですが、医療機関が実際に受け取る医療費の大部分は、保険制度と税金による“見えない支え”によって構成されています。
このしくみによって、日本では誰もが公平に必要な医療を受けられる「国民皆保険制度」が維持されているのです。
📘医療経営士3級の試験ポイント
このテーマは、医療経営士試験でも頻出分野です。 とくに以下の点を押さえておきましょう。
・公的医療保険制度の構造（保険者・被保険者・審査支払機関・医療機関の関係） ・自己負担と公費負担の割合や仕組み ・診療報酬明細書（レセプト）の役割と流れ
医療経営に関わる立場として、お金の流れを「患者→医療機関→保険者→国」の全体像で捉える力が求められます。
😺ワンポイントまとめ
「見える医療費」だけでなく、「見えない仕組み」も理解することが 医療を支える第一歩です。
