医療経営士試験の勉強は順調ですか?
今回は…
医療経営士3級対策
介護保険法関連
についてまとめていきます。
「医療経営士3級試験を受験予定!」
「介護保険について何も勉強していない!」
「詳しく知ってるけど読んでみるか。」
という方はぜひ目を通していってください。
わかっているようでよくわかってないな。
目次
介護保険制度とは
介護保険制度は2000年から始まった、心身の障害により自立した日常生活ができなくなった高齢者を支援するための制度です。
それまでの高齢者支援は、地方公共団体による高齢者福祉と医療保険制度による高齢者医療となっていました。
しかし、高齢者福祉でも高齢者医療でも同じような心身の状態にある高齢者が少なくありませんでした。
福祉と医療は連続性もあり、どこまでが福祉で、どこまでが医療で対応するのか判断が難しいことも多いのですね。
そこで、高齢者の支援と介護については、今までの高齢者福祉と高齢者医療を統合して介護保険制度という公的保険制度が作られました。
介護保険制度の仕組み
介護サービスと金銭の流れ
介護保険制度は医療保険制度に準じて作られていて、保険者、被保険者、サービス事業者、審査・支払機関から成り立っています。
保険者 | 市町村、特別区(東京23区) |
被保険者 | 40歳以上の国民 |
サービス事業者 | 指定居宅サービス事業所、指定介護保険施設 |
審査・支払機関 | 国保連合会 |
被保険者はサービス事業者から支援・介護サービスを受け、サービス事業者に介護費として1-3割の自己負担金を支払います。
サービス事業者は残りの7-9割を保険者から受け取ります。
医療のレセプトの流れと同様に、サービス事業者からの介護請求書は審査・支払機関で評価を受けた後に保険者に渡り、実際の支払いが行われます。
一方で保険者は被保険者から保険料の納付を受け、サービス事業者への支払いに充てています。
要介護申請と要介護度
介護サービスを受けるには一定の条件が必要です。
介護保険制度によって国民は40歳から介護保険料を納付するわけですが、被保険者証をすぐに受け取ることはできません。
65歳以上で支援や介護サービスが必要となった段階で保険者に対して要介護認定の申請を行うことができます。
そして、認定されて被保険者証を受け取った後に介護保険を使うことができるようになります。
また40~64歳でも特定疾病が原因で介護が必要となった人も使用することができます。
要介護認定は、高齢者の状態により要支援1・2、要介護1・2・3・4・5の7段階で判定されます。
例えば、「身体の痛みなどで一人での買い物や外での移動が容易ではないが、認知症はなくて家の中での身の回りのことは自分でできるので要支援2」とか、「寝たきりで何もできないので要介護5」などです。(あくまで例えです)
この要支援2とか要介護5などは一般に要介護度と呼ばれ、要介護度によって利用できるサービスの種類などに違いがあります。
例えば、要介護度が要介護4であれば施設サービスを利用できるが、要介護度が要支援2であれば利用できません、といった具合です。
施設サービスについては後述しますが施設サービスのうち、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は原則として要介護3以上となっています。
介護サービスの費用である介護報酬は3年毎に見直されています。
診療報酬は「1点=10円」でしたが、介護報酬は「1単位=10円~11.4円」と幅があります。
都会と田舎では物価や人件費が異なる背景に合わせて、介護報酬も地域差があるのですね。
ここでは介護報酬は3年毎に改定されていて、1単位当たりの単価には幅があることを覚えておきましょう。
介護サービスの種類
他のサービスとともにまとめていきましょう。
介護サービスは居宅サービスと施設サービスの2つに大別されます。
居宅サービスとは自宅に住みながら利用するサービスです。
通所介護施設(デイサービス)に通ったり、短期入所施設(ショートステイ)に入所することも居宅サービスに含まれます。
施設サービスは介護保険施設に入所して受けるサービスで、都道府県知事の開設許可を受けた介護保険施設でのみ受けることができます。
民間事業者が開設するサービス付き高齢者向け住宅などで受ける介護サービスは施設サービスとはなりません。
居宅サービス
介護保険法では要介護者用と要支援者用に大別されていますが、ここでは要介護者用の居宅サービスのサービス名を覚えておきましょう。
医療経営士3級試験対策として、サービス名を見たときに居宅サービスであるとわかればよいかと思います。
- 訪問介護
- 訪問入浴介護
- 訪問看護
- 訪問リハビリテーション
- 居宅療養管理指導
- 通所介護
- 通所リハビリテーション
- 短期入所生活介護
- 短期入所療養介護
- 特定施設入居者生活介護
- 福祉用具貸与
- 居宅介護支援
要支援者用の居宅サービスは、上記の要介護者用の居宅サービスに「介護予防~」とついているものと覚えておけばよいと思います。
施設サービス
施設サービスを受けることができるのは要介護者のみです。
施設サービスの種類は少ないので、これらの項目も覚えておきましょう。
- 介護老人福祉施設
- 介護老人保健施設
介護療養型医療施設
⇒ 介護医療院
介護福祉施設は特別養護老人ホーム(特養)とも呼ばれ、介護老人保健施設は老健とも呼ばれます。
初級医療経営士テキスト3巻(第3版)では、まだ介護療養型医療施設が記載されていますが、介護療養型医療施設は2018年3月末で廃止になりました。
その代わりに介護医療院が創設されました。
介護療養型医療施設は介護医療院に移行していくことになり、6年間の経過措置が設けられています。
各施設サービスについては病院の仕組みのページでも解説しています。
また、介護医療院については別記事もありますので参考にしてください。
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介護医療院とは メリット・デメリットを解説してみた!
みなさんこんにちは。 2018年3月末に行われた介護報酬改定で新たな介護施設が誕生したのでしたね。 その名も 介護医療院! 介護医療院とはいったい何でしょうか? その特徴は?? ここでは産声を上げたば ...
地域密着型サービス
地域密着型サービスとは市町村長が指定・許可した居宅・施設サービスのことです。
居宅サービス事業所や介護保険施設は都道府県知事が指定・許可を行っていますが、より地域に密着させるために市町村長の指定・許可としたのですね。
地域密着型サービスには要介護者用と要支援者用がありますが、要支援者用のものはやはり「介護予防~」という名称と覚えておきましょう。
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- 夜間対応型訪問介護
- 認知症対応型通所介護
- 小規模多機能型居宅介護
- 認知症対応型共同生活介護
- 地域密着型特定施設入居者生活介護
- 地域密着型介護老人福祉施設
- 看護小規模多機能型居宅介護
サービス名が長めで細かいのが地域密着型サービスね。
施設の開設について
頑張りましょう!
居宅サービス事業所
居宅サービスを提供する事業所は都道府県知事の指定を受けることが原則となります。
事業所は原則としては法人となりますが、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導の3つのサービスについては医師個人が開設する病院や診療所でも可能です。
そしてこれら3つの訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導について、保険医療機関であれば指定の手続きをしなくても指定を受けたものとみなされます。
居宅サービス事業所は株式会社や特定非営利活動法人も開設することができますが、居宅療養管理指導(薬局の薬剤師が行うものを除く)や訪問リハビリテーションは行うことができません。
介護保険施設
介護福祉施設、介護老人保険施設、介護医療院の開設は特定の法人のみとなり、株式会社や特定非営利法人は開設できません。
また医療法人は介護老人福祉施設(特養)を開設することができません。
本ページは以上です。