こんにちは。
さて私事ですが、去る2018年6月17日に医療経営士2級試験を受けてきました。
出来は↓の記事の通り微妙…、というか危ういのですが、問題は回収されてしまうためいかんせん採点ができません。
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【徹底考察】2018年6月 第15回 医療経営士 2級試験の個人的感想
※本記事は更新していますが元々は2018年6月に作成したもので、記事内には当時の表現となっている箇所があります。 みなさんこんにちは。 管理人のらいおんです。 さて私事ですが、2018年6月17日(日 ...
そこで、今回は私の記憶を頼りに出題された問題を振り返ってみることにしました。
第1分野・第2分野ともに15問くらいしか思い出せないので記憶率約30%と高い数字は出せず、選択肢の内容はほぼ覚えていません。
問題文、選択肢、第1分野か第2分野かなどは実際とは異なっているかもしれません。
このページは私自身の備忘録という意味合いが強いので、内容が雑になっているのはあしからず。
第1分野
それでは早速、第1分野を思い出していきましょう。
まずはざっくりと出題された要素を見てみます。
- 1. バリューチェーンについて
- 2. TQCについて
- 3. オールインコスト
- 4. VRIOについて
- 5. ナレッジマネジメントについて
- 6. 異状死の届出について
- 7. 医療法人の税について
- 8. AISAS
- 9. マトリックス組織について
- 10. 診療録管理体制加算の要件
- 11. 電子カルテの3原則
- 12. 有床診療所
- 13. 病院の業務委託サービス
- 14. 物品管理のABC分析
- 15. 銀行借入の返済可能最大額
- 16. 第三者による外部評価
思い出せたのは16問でしたね…
思った以上に少なかったです…
しかし、めげずに記憶をたどっていきますよ。
問題は思い出した順に記載していきますので、上記の順番とは異なっています。
オールインコスト
問題:オールインコスト
医療機器8億円のものを全て借り入れで購入予定。利率2.5%で借り入れ期間5年間。
初期費用2000万円の場合のオールインコストを求める。
選択肢は忘れました…
◇ ◇ ◇
解答
年利子:8億 × 2.5% = 2000万
総利子:2000万 × 5年 = 1億
総費用:1億 + 2000万(初期費用) = 1億2000万
購入費用 × 年数 = 8億 × 5年 = 40億
オールインコスト:1億2000万 ÷ 40億 × 100 = 3%
解答:3%
問題・答えは実際と異なっているかもしせませんが、計算式は合っているはずです。
オールインコストはやはり出てきますね。
計算式さえわかっていれば解けるので、これはある意味ラッキー問題でしょう。
バリューチェーン、VRIO、TQC
バリューチェーンについて、VRIOについても問題が出ました。
選択肢内容についてはすっかり頭から抜けていて思い出せません…
次に受験することがあれば、ここは改めて押さえておくところ。
TQCについても出てました。
誤ったものを1つ選ぶ問題だったと思います。
個人的な試験対策の理解として、TQCは「小集団」、TQMは「院内全体」での活動としていたので、「院内全体での活動」的な記載があった選択肢を選びました。
AISAS
問題:AISAS
病院がホームページを作った。
AISASの第一ステップのA(attention:注意)はクリアーした後、どのように進めていくか正しい順番を選べ。
(1) 外来の予約システムを導入した。
(2) 季節性の疾患の話題を投稿した。
(3) サーチエンジンの検索対策をした。
(4) SNSの使用をできるようにした。
◇ ◇ ◇
選択肢は「(1) → (4) → (2) → (3)」のような組み合わせで5択でした。
I(Interest:関心)は(2)
S(Search:検索)は(3)
A(Action:行動)は(1)
S(Share:共有)は(4)
という流れでよいのかなと思います。
マトリックス組織
マトリックス組織について正しいものを選べもありました。
ライン、ライン&スタッフ、職能別組織は押さえていましたが、マトリックス組織は覚えていませんでした…
マトリックスとは「行と列からなる格子状の表」です。
これですね↓
でこれは何を意味するかというと、マトリックス組織とは「1人が複数の部門に属する」というイメージになります。
例えば以下の感じです。
内科 | 外科 | 産科 | |
医局 | |||
看護部 | |||
薬剤部 |
このマトリックス組織のメリットは「質が高まる」ということが考えられます。
上記の場合は外科部門と看護部門のそれぞれから情報や経験を得たりすることで、どちらか片方でいた場合に比べて専門性が高まりますね。
一方でデメリットは、部門が複数になることで「管理が難しくなる」といったことが考えられます。
例えば、外科部門からの指示と看護部門からの指示が同時にこなすのが難しかったらどうしたらいいでしょうか?
さらには相反するような指示が出たとしたら…
一元的に管理できないことがデメリットとなるのですね。
マトリックス組織についての問題は選択肢も忘れてしまいましたが、明らかに正しくない答えを選んだ自信があります…
診療録管理体制加算1の要件
診療録管理体制加算1の要件でよかった気がしますがあいまい…
問題:診療録管理体制加算1の要件として誤ったものを1つ選べ
(1) 手術コード(医科点数表の区分番号Kコードのこと)によって分類された当該入院中に実施された手術を検索・抽出できる
(2) 退院日の翌日から起算して14日以内に退院時要約を作成し、その割合が9割以上満たしていること
(3) 年間の退院患者数2,000名ごとに1名以上の専任がいること
(4) ICD(国際疾病分類)上の規定に基づき、4桁又は5桁の細分類項目にそって疾病分類していること
(5) 専従スタッフは、業務についた後6ヶ月は研修を受けること
◇ ◇ ◇
答えは(5)ですね。
どこを調べても、(5)のような記載は見当たりません。
電子カルテの3原則
真正性、保存性、見読性の3原則が問われていました。
誤っているものを1つ選べでしたが、選択肢はほぼ忘れました…
「誰が書いたかなど責任の所在が明確であること」、「常に更新し最新の情報になっていること」とかだったような気がします。
その他3つの選択肢は正しいものであったはず。
「常に更新し」みたいな文言が正しくないのかな。
「誰が書いたかなど責任の所在が明確であること」は真正性として正しいですし。
有床診療所
問題:有床診療所について正しいのはどれか
(1) 診療所の施設数は約20万である
(2) 内科、外科、産婦人科の順に多い
(3) 地域で果たしている役割として「在宅医療の拠点」が50%を超えている
(4) 特定の機能を持ち、都道府県知事が認めた場合などは、都道府県知事の許可により療養病床の設置や増床が可能
(5) 休棟中の病床は病床機能報告をしなくてもよい
◇ ◇ ◇
(3)、(4)は内容が異なっているかもしれません。
「有床診療所の現状と課題 - 厚生労働省」を参照すると、(1)、(3)、(5)は誤りで、(2)は正しいです。
(4)は都道府県知事の「許可」ではなくて「届出」で可能なのですが、試験問題とは異なっているかもしれません。
ちょっと細かいところ突き過ぎじゃないでしょうか…
ナレッジ・マネジメント
自分によってよくわからない言葉がまた出てきたので整理していきます。
ナレッジ・マネジメント(knowledge management)を直訳すると「知識経営」になります。
ナレッジ・マネジメントとは「一人一人の持っている知識や情報、経験ノウハウなどを会社や病院など組織の財産として共有し有効活用すること」です。
今回の試験ではナレッジ・マネジメントのSECIモデル(セキモデル)というフレームワークについて問われていたようです。
SECIモデルとは暗黙知と形式知の知識変換モードを「共同化→表出化→連結化→内面化」の4つのフェーズに分けて考える。ということです。
内面化で終わるわけではなく、「内面化→共同化」と続き、終わることはないみたいですね。
イメージは理解できたとして共同化やら暗黙知やら、なんとなくでしかわからない言葉の意味を調べます。
まずは暗黙知と形式知から。
暗黙知:言葉で表しにくいもの
形式知:言葉で表せるもの
ふむふむ。
つまりSECIモデルは言葉で表しにくいものを言葉で表せるようにして、言葉で表されたものから新たな暗黙知を得るということですね。
〇暗黙知 → 形式知
例:個人の経験や感覚からくるノウハウや判断などを言葉で表して人に伝える。
〇形式知 → 暗黙知
例:それを聞いた人が実践し、新たな経験とノウハウを取得していく。
といった感じでしょうか。
次に知識変換のプロセスである「~化」という言葉を調べてみます。
共同化:言葉ではなく経験などから知識(暗黙知)を得たり伝えたりするプロセス
表出化:暗黙知を明確な言葉(形式知)にするプロセス
連結化:形式知化したものを組み合わせて新たな形式知を創り出すプロセス
内面化:形式知を実際に活用して、実行した人の中で暗黙知化するプロセス
やはりよくわからないので具体例を考えてみました。
製薬会社のスタッフが医療現場に何度も足を運び、実際に見たり聞いたりした結果、「小さい錠剤でも飲みにくい患者がいる」「胃管などのチューブから薬を入れるのは大変そうだ」といった現場を体験する(共同化)。
↓
「小さい錠剤でも飲みにくい患者がいる」「胃管などのチューブから薬を入れるのは大変そうだ」と明確な言葉にして会社に報告する(表出化)。
↓
会社では表出化された課題をもとに、「溶けてしまう剤形のニーズがある」という新しい形式知を生み出す(連結化)。
↓
スタッフが医療現場で「溶けてしまう剤形」を使用してもらい、感触を体験する(内面化)。
↓
「溶ける剤形でも飲まない患者もいる」などの現場を体験する(共同化)。
↓
「溶ける剤形でも飲まない患者もいる」ことを明確な言葉にして会社に報告する(表出化)
↓
「味が悪いようなので改良する」という新しい形式知を生み出す(連結化)
↓
改良した薬を使用してもらい、現場の様子を体験する(内面化)
to be continued...
ということでナレッジ・マネジメント(SECIモデル)については理解しましたが、肝心の問題内容は忘れました…
大事なところで役立たずですみません…
病院の業務委託サービス
問題
平成27年度の医療関連サービス実態調査において、病院の業務委託割合が95%を超えている医療関連サービスを高い順に3つ並べたときに正しいものを選べ。
(ア) 医療事務
(イ) 患者給食
(ウ) 寝具類洗濯
(エ) 医療廃棄物処理
(オ) 検体検査
◇ ◇ ◇
解答
H27年度の業務委託率
(ア) 医療事務:35.7%
(イ) 患者給食:70.3%
(ウ) 寝具類洗濯:96.6%
(エ) 医療廃棄物処理:97.0%
(オ) 検体検査:97.3%
上記なので、「検体検査」→「医療廃棄物処理」→「寝具類洗濯」の順になりますね。
問題も95%以上を3つ選べでいいと思いますが、順番に並べろってほんと細かいです。
医療経営士って1%の差もないところを順番に覚えておく必要があるのでしょうか…
と嘆いておきます。
ちなみに平成30年度医療関連サービス実態調査結果の概要が公表されました。
同データによると委託率1位:寝具類洗濯98.4%、2位:検体検査97.3%、3位:医療廃棄物処理 97.1%、4位:医療用ガス供給設備保守点検92.8%、5位:院内清掃87.5%となっています。
トップ3が変わっているので注意が必要ですね。
物品管理のABC分析
問題
物品管理のためにABC分析を用いて発注法を決めることにした。
累積費用70%までを定期発注法とする場合、定期発注となる品目を選べ。
費用合計は800万とする。
品目 | 費用(万) |
(ア) | 90 |
(イ) | 60 |
(ウ) | 320 |
(エ) | 20 |
(オ) | 180 |
(カ) | 80 |
(キ) | 50 |
合計 | 800 |
◇ ◇ ◇
ABC分析をしたときに、全体の70-80%を占めるAランクを重点的に管理し、Aランクには定期発注方式が適していることは覚えていたのですが、この問題の対策は0でした…
解き方を勉強しました。
①費用が多い順に並べ替える。
品目 | 費用(万) |
(ウ) | 320 |
(オ) | 180 |
(ア) | 90 |
(カ) | 80 |
(イ) | 60 |
(キ) | 50 |
(エ) | 20 |
②全体の費用(この場合800万)に対する割合(%)を出す。
(%) = (個々の費用) ÷ 800 × 100
品目 | 費用(万) | % |
(ウ) | 320 | 40 |
(オ) | 180 | 22.5 |
(ア) | 90 | 11.25 |
(カ) | 80 | 10 |
(イ) | 60 | 7.5 |
(キ) | 50 | 6.25 |
(エ) | 20 | 2.5 |
③大きい%から足していって(累積)70%未満までをAランクとする。
ついでに70-90%未満をBランク、90%以上をCランクとする。
品目 | 費用(万) | % | 累積(%) | ランク |
(ウ) | 320 | 40 | 40 | A |
(オ) | 180 | 22.5 | 62.5 | A |
(ア) | 90 | 11.25 | 73.75 | B |
(カ) | 80 | 10 | 83.75 | B |
(イ) | 60 | 7.5 | 91.25 | C |
(キ) | 50 | 6.25 | 97.5 | C |
(エ) | 20 | 2.5 | 100 | C |
ということで正解は(ウ)、(オ)を選ぶということになりますね。
銀行借入の返済可能最大額
問題
1億2000万円の銀行借入を行うこととした。
借入期間8年で減価償却は定額法。
医業収益5億、医業利益1500万、税引前当期純利益 1000万、税引後当期純利益 700万とした場合、銀行借入の返済可能最大額として適切額はいくらか。
◇ ◇ ◇
問題の数字は忘れたので適当になっていますが、返済可能最大額は「税引後当期純利益 + 減価償却費」ですね。
減価償却費は定額法なので、1億2000万 ÷ 8年間 = 1500万
よって返済可能最大額 = 700万 + 1500万 = 2200万ですね。
異状死の届け出について
これは予想問題などでも取り上げられていますね。
医師は「自身が診ていた病状での死」と診断できない場合は死亡後24時間以内に警察に届け出なければならないこと。
「自身が診ていた病状での死」と考えても最終診察から24時間以上経過していれば死亡後診察をする必要があること。
法医学に関する一定の教育を受けた看護師による「死亡の確認」「死亡診断書の代筆」が一定の条件のもとで可能になっていること。
などを押さえておけば解けた問題だったような気がします。
医療法人の税について
確か、「全ての医療法人は一律の税」とか「医療法人は一般企業と比較して税率が19%優遇されている」とかが出ていた気がします。
上記はともに誤っているとは思いますが、他の選択肢も忘れてしまいました…
廃止を検討する診療科
これは単純に「医業収益」-「医業費用」でマイナスになっている科を選択するというシンプルな考えてOKでしょう。
ポイントは「間接費配賦額」は考慮しないということですね。
間接費配賦額とは診療科に直接関係しない費用であり、診療科が存続しようが廃止しようが変わらないため、廃止を検討する際に計算に含みません。
第三者による外部評価
個人的な勉強のため答えを2つにしました。
問題
第三者による外部評価の説明について、誤っているものを2つ選べ
1. 病院機能評価(JCI)
病院が組織的に医療を提供するための基本的活動(機能)が適切に実施されているかを評価
2. プライバシーマーク
個人情報について適切な保護措置を行う体制を整備しているかの認定
3. ISO 9001
環境マネジメントに関する国際規格
4. JIS 15001
個人情報保護法に関するマネジメントシステム
5. ISO 14001
品質マネジメントに関する国際規格
◇ ◇ ◇
これは3と5の説明が逆ですね。
なかなか覚えれなかったので、自分なりに覚え方を考えました。
まず品質と環境はISOであることは気合いで覚えてしまう。
「品質」の品は「口が3つ」→「0が3つ」と考える。
9001ときたら「9+1」は10なので0が1つできる。
9001には0はが2つあるから、9+1でできた0を足して0は3つある。
「品質」→「9001」
環境の「環」はループの意味もある。
数字の最初と最後はループで同じになると考え、14001は当てはまる一方で9001は異なる。
「環境」→「14001」
いい覚え方があれば教えていただきたいです…
サイトを閲覧していただいた方からISO 9001とISO 14001と覚え方のコツを教えていただきました!
9001は4文字だから「ひんしつ」、14001は5文字だから「かんきょう」という覚え方です。
私が記載した覚え方よりもとってもシンプルで覚えやすいですね!
おすすめです!
情報をご提供いただき、ありがとうございます!
第2分野
さてここからは第2分野の問題をみていきます。
なんとなく思い出せたのは20問でしたが、問題・選択肢が思い出せないものが多く混ざっています…
それでもめげずに、まずは出題された要素です。
- 1. 患者別原価計算
- 2. 受動喫煙率
- 3. シックスシグマ
- 4. 医療と介護連携
- 5. 病床種類別の評価
- 6. 健やか親子21?妊婦喫煙率
- 7. 自殺者数
- 8. 薬価の推移
- 9. データ分析
- 10. 地域包括ケアシステム
- 11. 地域連携法人
- 12. DPCコード
- 13. チーム医療
- 14. 平均在院日数
- 15. 国際比較
- 16. 医療広告
- 17. レセプト
- 18. 医療事故調査制度
- 19. 高齢化率
- 20. 医療機器の分類
患者別原価計算
問題
患者別原価計算は診療行為を受ける患者を(ア)として、(イ)を積算根拠とする。
各費用には(ウ)を含んでいるため、部門の(エ)に結果が影響を受けてしまう。
◇ ◇ ◇
解答
(ア)原価集計単位
(イ)行為別原価
(ウ)人権費
(エ)給与構成
ですね。
受動喫煙率
確か「がん対策推進基本計画」を元にした問題だったような…
問題
以下の選択肢から誤っているものを1つ選べ
(ア) がん登録は法的位置づけが検討されている。
(イ) 計画は「がん対策基本法」に基づき策定された。
(ウ) 平成34年度までに成人喫煙率の目標を12%にする。
(エ) 平成34年度までに成人受動喫煙率の目標を行政・医療機関では10%以下とする。
(オ) 平成24年度の「がん対策推進基本計画」では、がん検診の受診率は5年以内に50%(胃、肺、大腸は40%)を目標とする。
◇ ◇ ◇
選択肢の内容は正確ではないですが、受動喫煙率なんて勉強してないよ!という問題があったことは記憶しています。
解答
(ア)、(イ)、(ウ)、(オ)は正解ですね。
行政・医療機関での受動喫煙率目標は0%であるため(エ)は誤りです。
平成34年度までの受動喫煙率の目標は場所ごとに決められています。
職場:受動喫煙の無い職場の実現(数値なし)
家庭:3%
飲食店:15%
それから「がん対策推進基本計画」は平成30年3月に変更になっているため、今後の医療経営士試験では解答が変わることは知っておいてよいでしょう。
平成30年3月の「がん対策推進基本計画」を読んだところ、(イ)、(ウ)については変化はないはずです。
一方で平成 28(2016)年1月より、がん登録等の推進に関する法律(平成25年法律第111号)に基づく全国がん登録が開始され、病院等で診断されたがんの種類や進行度等の情報病院等から都道府県を通じて国立がん研究センターへ提出され、一元的に管理されることとなっているため、(ア)の選択肢の「法的位置づけが検討されている」という文言は「法的位置づけがなされた」という感じになりそうですね。
また、(オ)に関してはがん検診の受診率の目標はすべてのがん種で50%となっており、精密検査受診率(最初の検査で要精査となった人が精密検査のために病院を受診する割合)は90%となっています。
医療広告
問題
医療広告について適切でないものを選べ
(ア) ホームページは広告規制の対象となる
(イ) 財団法人日本医療機能評価機構の個別評価結果は広告できる
(ウ) 血管ドック、骨ドック、美容ドックは広告できる
(エ) 誇大広告、比較広告は広告できない
(オ) 検査、手術等を含む診療風景の写真は広告できる
◇ ◇ ◇
解答
(ウ)が誤りですね。
(ウ)は「現時点で医学的・社会的に様々な意見があり、広く定着していると認められない健康診査」ということで広告はできません。
一方で、脳血管疾患などの発見のつながる「脳ドック」など、広く定着していると認められる健康診査は広告することができます。
病床種類別の評価
平成27年の病床利用率と平均在院日数を示す。正しいものを選べ。
病床利用率(%) | 平均在院日数 | |
(ア) | 86.5 | 274.7 |
(イ) | 3.1 | 8.2 |
(ウ) | 35.4 | 67.3 |
(エ) | 88.8 | 158.2 |
(オ) | 92.1 | 315.8 |
選択肢
「精神病床、療養病床、介護療養病床、感染症病床、結核病床」の組み合わせ
◇ ◇ ◇
この問題、マニアック過ぎない?と感じたのは僕だけでしょうか…
選択肢は組み合わせで考えることはできたのですが、それでも難しかったです。
結核治療は6か月程度ですが、「入院は他人への感染リスクがなくなるまで」と考えると、平均在院日数から(ウ)が結核病床かなと推測しました。
感染症病床とは感染症法で定められている一類感染症・二類感染症・新型インフルエンザ等感染症や、新規感染症などの患者が入院となる病床です。(結核は結核病床)
一類感染症:エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱
二類感染症:急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る)、中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る、鳥インフルエンザ(H5N1)、鳥インフルエンザ(H7N9)
わけわかんないですね。
ざっくりいうと他人への感染リスクが高く、重篤化するような感染症です。
日本でも新型インフルエンザは耳にしましたが、流行したわけでもないので病床利用率は低いだろうことから(イ)が感染症病床と推測できます。
アフリカでエボラ出血熱が流行しましたが、もし日本に入ってきていたら感染症病床の利用率が高くなるわけですね。
ちなみにデング熱が世間をにぎわせましたが、デング熱は四類感染症となっています。
精神病床、療養病床、介護療養病床については勘を頼るしかなかったです…
介護療養病床は、いわゆる「寝たきり」の患者さんがいることをイメージして、平均在院日数の長い(オ)かなとしても、精神病床と療養病床の区別は無理でした。
正答は(ア)精神病床、(イ)感染症病床、(ウ)結核病床、(エ)療養病床、(オ)介護療養病床です。
「へ~」と覚えておくしかないですね…
データ分析
問題は忘れました…
選択肢は、パレート分析、センシティビティ分析、SWOT分析、回帰分析とあと1つ何かでした。
パレート分析が問われることが多いのですが…
一応、各分析について簡単なまとめです。
パレート分析:有名なやつ。上位の一部要素が全体にどのくらい貢献しているかをみる分析。
センシティビティ分析:ある要素が現状あるいは予測値から変動したとき、最終的な利益などにどの程度の影響があるかをみる分析
SWOT分析:組織の内部環境(強み:Strengths、弱み:Weaknesses)と外部環境(機会:Opportuniteis、脅威:Threat)を整理する分析。
回帰分析:結果となる数値と要因となる数値の関係を調べて、それぞれの関係を明らかにする分析
チーム医療
これも予想問題集とほぼ同じ内容でしたね。
太字が解答です。
チーム医療の効果として
(1)医療・生活の「質の向上」
(2)医療従事者の「負担の軽減」
(3)医療の標準化による「医療安全」の向上
が挙げられます。
そして、医療スタッフの「役割の拡大」と、医療スタッフ間の「連携・補完」などがチーム医療を推進するために必要になります。
医療機器の分類
高度管理医療機器、管理医療機器、一般医療機器を選択する問題
選択肢には、血管カテーテル、人工透析器、人工骨頭、MRI、電子内視鏡、電子血圧計、X線フィルム、メス、超音波診断装置などがあり組み合わせを考えるもの。
高度管理医療機器:血管カテーテル、人工透析器、人工骨頭
管理医療機器:MRI、電子内視鏡、電子血圧計、超音波診断装置
一般医療機器:X線フィルム、メス
選択肢の組み合わせでは、「高度管理:血管カテーテル」、「管理:MRI」、「一般:X線フィルム」だったような気がします。
高齢化率
問題
(ア)~(エ)に当てはまるものを選べ
人口に占める高齢者の割合が(ア)%に達した社会を高齢化社会、(イ)%に達した社会は高齢社会、(ウ)%に達した社会は超高齢社会である。
平成37年(2025年)には高齢化率は(エ)%となることが予想される。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
1 | 5 | 15 | 20 | 30 |
2 | 7 | 14 | 21 | 35 |
3 | 7 | 14 | 21 | 30 |
4 | 5 | 10 | 15 | 25 |
5 | 7 | 14 | 20 | 30 |
◇ ◇ ◇
答えは3ですね。
平成37年(2025年)の高齢化率を知っているかどうかが正答への分かれ目でした。
その他
冒頭にあげておきながら、問題や選択肢がほとんど思い出せなかったものをここでまとめます。
シックスシグマ、医療と介護連携、地域包括ケアシステム、地域連携法人、自殺者数について出てましたが問題・選択肢ともに忘れました…
健やか親子21?かどうかはっきりしませんが、妊婦の喫煙率が出ていたような。
平成25年度で妊婦喫煙率は3.8%、今後の目標値は0%です。
薬価基準はここ10年連続でマイナスであるという選択肢があったと思います。
それは正しいです。
DPCコードは予想問題集などの通りで、最初の2桁はMDC、次の4桁はICD10、続いて年齢など、手術・処置、副傷病、重症度となっています。
「年齢など→手術・処置」と「副傷病→重症度」の順番が大切ですね。
私はDPCは傷病が重複しない(「重症度」→「副傷病」は×)と覚えていました。
平均在院日数の計算問題も出ていましたが、内容が思い出せません。
病床100床、稼働率100%、3か月の入院患者187名、3か月の退院患者183名みたいな数字が出ていたような気がしましたが…
レセプト提出は翌月10日まで、医療費国際比較でGDP比率1位はアメリカをきく問題もありました。
まとめ
記憶を頼りに自己採点を兼ねて復習をしてみました。
第2分野が後回しになったので、かなり記憶が抜けていますね…
そしてやはり自分の誤答率も高いことに気づかされました。
ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございます。
「こんな問題もあったよ!」
「問題や選択肢、答えが違うよ!」
などなど、ご意見・ご指導がありましたらツイッターやお問い合わせフォームから遠慮なくご連絡ください。
2級試験対策資料についての記事はこちら↓
-
医療経営士2級試験の勉強資料まとめ
みなさん、こんにちは。 今回は、医療経営士2級試験の勉強資料について個人的経験や見解を踏まえてまとめてみました。 最近「当サイトが3級試験合格に役立った!」というご連絡が届くようになってきており、管理 ...
ではでは