医療経営士試験の勉強法、難易度、合格率を考える
医療経営士に興味を持っていただき、ありがとうございます!
ここでは医療経営士試験について、難易度や合格率、私の経験をふまえた勉強法を解説します。
1級試験の受験者数はさすがにまだ少ないので、今回は3級試験と2級試験についてまとめました。
目次
医療経営士試験について
医療経営士試験は初級である3級から2級、1級とレベル分けされており1級を最高としている民間資格です。
日本医療経営実践協会のホームページでは医療経営士の各級のキャリアステージ像が記載されています。
医療経営士3級 | 医療経営の基礎知識を有する |
医療経営士2級 | 医療経営の体型的知識を有する |
医療経営士1級 | 医療経営の戦略策定と実行力を有する |
1級合格までの道のりは大変ですが、1級合格となると箔がつきそうですね。
医療経営士は3級⇒2級⇒1級と段階を踏まないといけないので、試験の受験者の多くは3級試験となっています。
まずは3級試験からざっと概要をみていきましょう。
医療経営士試験の費用などのメリット・デメリットについてはこちらの記事をどうぞ
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【2024年版】医療経営士とは ~メリット・デメリット~
目次1 医療経営士とは1.1 医療経営士って何?1.2 医療経営士が必要となった背景2 医療経営士になるとどうなる?2.1 メリット2.2 デメリット3 まとめ 医療経営士とは 医療経営士に興味を持っ ...
医療経営士3級試験の難易度・合格率
3級試験の難易度
医療経営士3級試験は、医療経営の基礎知識を身に着けるものとされています。
私自身は2015年に医療経営士3級試験を受けて合格しましたが、試験問題の内容はそう難しくなかったです。
私が試験前にやったのは、「なるほどなっとく、医療経営Q&A50」と「予想問題集」のみです。
とはいえ、その当時は上記くらいしか勉強資料がなかったといった方が正しいです。
現在は当サイト含め、勉強法は広がってきているので、上記にこだわらなくてもいいかとは思います。
勉強期間は約3週間くらいだったかと思います。
ところが最近は合格率の調整のためなのか、受験者から難しいという声も聞こえてきますね。
そんな医療経営士3級試験の難易度についてみてみます。
まずは試験概要について協会ホームページからの引用を紹介いたします。
●試験時間
[試験開始時間] 10:00(開場/9:30、着席/9:45)
[試験終了時間] 11:20●目的
医療および医療経営に関する基礎知識、倫理/モラルにつき、「医療経営士 3級」像に鑑み、その習得・到達度を測ることを目的とする。
●出題科目
1. 医療経営史
2. 日本の医療政策と地域医療システム
3. 日本の医療関連法規
4. 病院の仕組み/各種団体、学会の成り立ち
5. 診療科目の歴史と医療技術の進歩
6. 日本の医療関連サービス
7. 患者と医療サービス
8. 医療倫理と臨床倫理
9. 医療に関する最近の動向
●おもな受験対象者
医療従事者、医療関連サービス/企業に勤務する者、および学生 等
●試験時間・出題形式等
[制限時間] 80分
[出題形式] 五肢択一、マークシート記入
[出題問数] 50問●合格基準
「医療経営士3級」資格認定試験の合格基準は、総得点の6割程度とする。
参照:日本医療経営実践協会:管理人が一部編集
さて医療経営士3級試験の難易度としては、0から勉強を始める人でも合格はそう難しくないと考えます。
出題形式は五肢択一のマークシート方式で、合格基準を見ると6割程度となっていますね。
五肢択一で50問なので、確率的には適当にやっても10問は正解することになります。
正答率6割を目指すと50問中30問正答すればよく、適当にやっても10問正答すると考えると、40問中20問が解ければいいということになりますね。
つまり2問に1問は確実に正答するとよいことになります。
最近は合格率が調整されてるため6割正答で合格といかない印象はありますが、途方もなく難しい試験というわけではない印象は持てたのではないでしょうか。
医療経営士3級試験の合格率と勉強法
合格率を見ると、ここ最近は40%程度で推移しています。
3級試験対策はテキストやQ&A50、問題集と受験者の取り組むことはだいたい似通ってきますので、そこでの知識差があまりないように勉強しておけば合格する可能性が高くなると考えます。
私はまずは「なるほどなっとく医療経営Q&A50」にざっと目を通し、「問題集」を1クール目から1問ずつ解きながら解答と解説に目を通していきました。
問題集は10問~15問で約1時間消費といった感じでした。
150問をやりきるには10~15時間の計算になりますね。
2-3クールやりましたが、3回目になるとほぼ解答を覚えているので、そう時間はかかりません。
Q&A50と合わせて、受験勉強としては30時間くらいだった気がします。
問題集とQ&A50の他には最近の医療経営のトピックを何らかの形で押さえるといいのではないでしょうか。
がしかし、前述の内容と矛盾が生じますが、最近は合格率が一定となっており正答率6割の受験者全員は合格できない印象です。
例えば、正答率6割以上の受験者が全受験者の70%いたらどうなるでしょうか。
正答率6割以上の受験者が全員合格すると合格率は70%になってしまいますね。
合格率が40%に設定されているとすると、正答率6割以上の受験者でも不合格者を出さなくてはいけなくなります。
つまり、今までは正答率6割以上という絶対評価だったものが、現在は合格率上位40-50%程度という相対評価になっているのです。
これを言い換えると、正答率は他の受験者より高ければ高いほどよいということになります。
あくまで私の推測の域をこえませんが、以前と比較し受験者数が数百人単位で増加してきたにも関わらず合格率が一定なので、あながち間違ってはいないだろうと考えています。
そのような医療経営士試験の対策として、今までは「初級テキスト」、「なるほど、なっとく医療経営Q&A」、「予想問題集」しかないような感じであり、受験者の大多数はほぼ同じ勉強をしていたと思います。
それで合格率40%台なわけですから、私は受験者の大勢がやっている勉強法と同じだけでは合格率が高まるとはいえない気がしました。
そこで当サイトではサイト記事で勉強するだけでなく、今までのサイト運営で培ってきた独自の経験を活かした医療経営士試験予想問題と公式テキストの内容を踏まえた240問の問題集を作成いたしました。
ここでしか解けない問題を多数用意していますので、ぜひチェックしてみてください。
追記:3級試験の合否判定も相対評価であることを確認いたしました。合否について偏差値で評価されています。やはり1問でも多く正答し、いかにして上位に食い込めるかが大切です。民間の3級資格なのだから絶対評価でいいのにと思うのは私だけでしょうか。
3級試験は協会が直前ポイント講座を主催しており、それを受けることでトピックを含めた試験対策ができるようですが15,000円かかります。
トピックの押さえ方はそれぞれあるかと思いますが、個人的なお勧めは最新医療経営PHASE 3という雑誌です。
今までは月刊医療経営士という雑誌がありましたが、残念ながら休刊となってしまいました。
月刊医療経営士は今後は最新医療経営PHASE 3に引き継がれていくということです。
あとは当サイトでも3級試験対策用のまとめを作成していますので、勉強資料にご参考ください!
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医療経営士2級試験の難易度・合格率
さて、医療経営士3級試験1回当たりの受験者数は1000~2000人となっています。
一方で、2級試験となると受験者数は300~500人程度に受験者数が減少します。
2級試験を受けるためには3級試験に合格しなければなりませんし、2級試験に合格するためには3級と違ってしっかり準備をする必要があります。
合格へのハードルが低くない上に受験料も安くないこと、3級を取得した結果、2級取る意味ある?と感じることなどから受験者数が多いとはいえない印象ですね。
2級試験の難易度
2級は3級と比べて当然難易度が上がるのですが、3級からの上がり幅はなかなかのものです。
2級は医療経営の体型的知識を身に着けるというのが協会側の目標であり、医療経営のみならず一般経営にも共通する財務関係の知識なども必要になります。
私は3級試験に合格した1年後くらいに2級試験を受けたのですが、1分野合格も2分野が不合格でした。
正直、そのときは勉強時間が少なく、準備は2週間くらいだったと思います。
対策も予想問題集をやっただけで、テキストにもほぼ目を通していなかったのでやむを得ない結果だと思います。
そこで2018年6月に再び医療経営士2級試験を受けてきました。
合格は…という印象だったものの蓋を開けてみると合格していました。
合格発表前に作成した、「試験の出来や、問題のふり返り」はこちらのページでしていますので、よかったら読んでみてください。
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【徹底考察】2018年6月 第15回 医療経営士 2級試験の個人的感想
※本記事は更新していますが元々は2018年6月に作成したもので、記事内には当時の表現となっている箇所があります。 みなさんこんにちは。 管理人のらいおんです。 さて私事ですが、2018年6月17日(日 ...
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医療経営士2級試験問題を見直してみた
こんにちは。 さて私事ですが、去る2018年6月17日に医療経営士2級試験を受けてきました。 出来は↓の記事の通り微妙…、というか危ういのですが、問題は回収されてしまうためいかんせん採点ができませ ...
そんな2級試験の概要について協会ホームページを引用します。
●目的
「医療経営士 2級」像に鑑み、その習得・到達度を測ることを目的とする。
●「医療経営士2級」像(到達レベル)
・医療経営に関する知識や経営課題を解決するための分析力を有し、実践できる。
・中堅管理職が身に着けるべき医療経営に関する知識・問題解決能力を有し、実践できる。●出題範囲
[第1分野](50問/80分)
1.医療経営概論
2.経営理念・ビジョン/経営戦略
3.医療マーケティングと地域医療
4.医療ITシステム
5.組織管理/組織改革
6.人的資源管理
7.事務管理/物品管理
8.財務会計
9.資金調達
10.医療法務
11.医療に関する最近の動向[第2分野](50問/80分)
1.診療報酬制度
2.広報・広告/ブランディング
3.部門別管理
4.医療・介護の連携
5.経営手法の進化と多様化
6.創造するリーダーシップとチーム医療
7.業務改革
8.チーム医療と現場力
9.医療サービスの多様化と実践
10.医療に関する最近の動向●試験時間・出題形式等
[制限時間] 第1分野 80分、第2分野 80分
[出題形式] 五肢択一、マークシート記入
[出題問数] 第1分野 50問、第2分野 50問参照:日本医療経営実践協会:管理人が一部編集
2級試験は第1分野(一般)、第2分野(専門)に分かれているわけですが、それぞれ50問あり全100問と3級試験の倍になります。
そして各分野の出題範囲を見ても、3級とは雰囲気からして明らかに違いますね。
また合格基準も記載されていないため、どの程度の捨て問題・捨て領域を作っていいのかはっきりしません。
この後に説明する合格率をある程度一定にするため、「何割以上で合格」とかにはしていないのかもしれません。
と言ってもどうしようもないのですが…。
医療経営士2級試験の合格率と勉強法
医療経営士2級の合格率は30%弱でほぼ一定です。
受験者数が300人前後でも700人前後でも合格率はほぼ変わっていません。
準備不足の受験者が多いという受験者側の問題なのか、2級の希少性を高めつつ複数回受験で受験料や対策講座料をいただきたい協会側の何かがあるのか…
変な詮索は置いといて、受験者全体のうち不合格になる確率の方が高いということは間違いありません。
そのため合格した場合には箔がつきます。
勉強法として最初に頭をよぎるのは、テキストを読むことが必要なのか?ということです。
テキストは第1分野で10巻、第2分野で9巻あり、読み込むには時間がとてもかかりますから、なかなか大変です…
それ以前にテキストをそろえるのに正規で約57,000円しますので、読み込む前に買うかどうかの壁にぶち当たりますね。
(日本医療企画のオンラインブックストアでは51,430円に値引き、メルカリ・ヤフオクなどでは30,000円程度となっています。)
私自身の経験では、第1分野は予想問題集だけで合格することができました。
逆に予想問題集だけでは第2分野は合格できませんでした。
そこで、テキストは第2分野から読み始め、予想問題集を解いていく。
私は今度はこの作戦で勉強を始めていこうと考えています。
もちろん第1分野もテキストを読みたいですが、そこは時間との戦いでしょうか。
結局テキストはほぼ読めずでした。
時間はなきにしもあらずでしたが、読んでも頭に入ってこない上にどこが重要なんだかよくわからず…
その結果は…でしたが、読んでたからと言ってガンガン解けた問題達でもなかったような…
それでも私は第15回 医療経営士2級試験に合格していました。
合格率は30.9%でしたので、私以上に他の受験者も自信がなかったのだと思います。
私自身、医療経営士中級テキストはほぼ読めずだったので、わざわざ高額のテキストを買わなくてもいいような…とは思います。
2級試験対策については別記事を作成したので参考にしてみてください。
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医療経営士2級試験の勉強資料まとめ
みなさん、こんにちは。 今回は、医療経営士2級試験の勉強資料について個人的経験や見解を踏まえてまとめてみました。 最近「当サイトが3級試験合格に役立った!」というご連絡が届くようになってきており、管理 ...
まとめ
医療経営士試験は3級と2級で難易度、合格率、勉強必要度がかなり変わります。
勉強方法は人それぞれですが、本サイトの情報を一つの参考にしてみてください。
目指せ、医療経営士3級、2級試験合格!